2015年度目標の新燃費基準について

摘要

2005年度の我が国の温室効果ガスの総排出量は，京都議定書の基準年（1990年度）と比べて7.8％上回っており，基準年比-6％の目標達成に向けては，さらなる取り組みが必要な状況となっている。 これは，我が国の温室効果ガス総排出量の8割程度を占めるエネルギー起源二酸化炭素(CO{sub}2)が大幅に増大したことによるものである。 部門別に見ると，民生部門（業務·家庭）からのCO{sub}2排出量が基準年比41.6％増と大幅に増加している。 運輸部門については，2001年度以降減少基調に転じているものの，基準年比で18.1％増となっている。 地球温暖化問題は今後とも地球規模で深刻化すると予測されており，運輸部門はCO{sub}2排出量全体の約2割を占めていることから，引き続きCO{sub}2排出量の削減に向けた取り組みが重要である。 また，原油価格の高騰，BRICsを中心としたエネルギー需要の急拡大，依然不安定な供給リスクなど，昨今，エネルギー制約が構造的に高まりつつあることから，中長期的にもさらなる省エネルギーの取り組みが必要な状況である。 このため「新·国家エネルギー戦略」（2006年5月）においては，2030年までに30％のエネルギー消費効率改善を目指すこと，運輸部門の石油依存度を80％程度まで低減させることが目標として掲げられている（表1，図1）。