マイクロ水力発電技術：系統連系を持ったマイクロ水力発電施設

摘要

旧南信濃村（現在の長野県飯田市）は長野県の南端南アルプスと伊那山脈の山峡に位置する自然豊かな山村である。 旧村は総面積206.9キロm{sup}2、そのうち森林の占める割合は97％に上る。 そのため、自然エネルギーの意識調査においても圧倒的に木質利用が多く、マイクロ水力発電という認識が薄かったようである。 しかし、旧村には総延長80kmもの清流があり、アマゴなどの川魚の宝庫ともなっている。また、旧村の至るところに養魚池が点在し、河川からの取水施設並びに導水施設も充実している。 これらの養魚池は魚に酸素を供給する手段としてブロアを利用していることから消費電力量も多い。 マイクロ水力発電は安定した発電量が見込め、地産地消のエネルギーとして期待されている。 ここでは既存の養魚施設を有効に活用した遠山郷小水力発電実験所（以下、遠山水力発電所という）の事例を紹介する。