アボガドロ数決定法の歴史とその意義～高等学校における教授法を探る～

摘要

アボガドロ数Nの見積もりについては過去多くの物理学者が行なっていた（表1）．一般的にNを初めて見積もったのはロシュミットであるとされている．彼は気体分子運動論の立場からNを定義した．ケルヴィン卿やフアンデルワールスも基本的に同じである．19世紀末にJ．J．トムソンが電気素量eから，プランクがボルツマン定数k_Bから，それぞれNを求める方法を提示した．また，アインシュタインはブラウン運動を直接観測することによってNが求められることを考案し，1908年にベランがそれを実測により証明した．