主鎖および末端にオキセタニル基，末端にメタクリロイル基およびカルポキシル基を有するハイプリ￣ナド型ハイパーブランチポリマーのワンポット合成とその性質

摘要

トリスエポキシ化合物と分子内にオキセタン残基を有するジかレポン酸化合物，メタクリル酸(MAA），および3－カルポキシル3－エチルオキセタン（CEO）との重付加反応により，主鎖および末端にオキセタニル基（OX），末端にメタクリロイル基（MA）およびカルポキシル基（CA）を有するハイブリッド型ハイパーブランチポリマー（HBP－OX－MA－CA）をワンポット反応により合成した。得られたHBP－OX－MA－CAの種々の架橋硬化反応【光カチオン重合，光ラジかレ重合，熟硬化反応，デュアルキュアー型硬化反応（光カチオン重合＋光ラジカル重合，光カチオン重合＋熟硬化反応，または光ラジかレ重合＋熟硬化反応），ハイブリッド型硬化反応（光カチオン重合＋光ラジかレ重合＋熟硬化反応）】は対応する開始剤を用いてフイルム状態で検討した。 その結果，いずれの硬化反応も速やかに進行し，溶媒に不溶の架橋硬化フイルムが得られることを明らかとした。それぞれの架橋反応で得られたフイルムのガラス転移温度（T_g）は，光カチオン重合，光ラジカル重合，および熟硬化反応を単独で行った場合や，デュアルキュアー型硬化反応を行った場合と比較して，ハイプリット型硬化反応の場合，架橋硬化物のT_gが最も高くなることが判明した。このことは，ハイプリット型硬化反応により架橋硬化フイルムの架橋密度が一層高くなることを示唆している。