近年,生産設備の高経年化が進んでいるものの,昨今の経営環境の悪化などにより簡単に設備更新ができない状況にある。また,地球温暖化によるCO_2削減を背景に原子力発電所の検査方式の改正に伴い,状態基準保全(CBM: Condition Based Maintenance)の導入が図られている。このような状況下において,設備管理は重要性がますます高まり,状態監視技術や状態基準保全を支える設備診断技術の活用に注目が集まっている。設備診断技術を定着化させ,大きな効果を発揮させるためには,各診断技術の特徴および診断目的を明確化し,理解して作業を行う必要がある。本稿では,設備診断技術の中でも,最も活用されている振動診断について異常を早期に検出し,本質原因を究明することで再発防止を行った診断事例などを交えて紹介する。
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