自動車の省燃費に貢献するピストンリングの技術動向

摘要

内燃機関は、温室化ガスである二酸化炭素排出の低減とエネルギー問題から熱効率向上·燃費向上が大命題となっており、エンジン部品であるピストン系の摺動抵抗はエンジン全機械損失の14%を占めており、2010年から比較して2020 年には40%の摩擦損失低減実現が求められている。Ringの摺動抵抗低減のための要素開発は各社で進められているが、各部油膜の最適化（オイルコントロール性能）により安定的なオイル消費性能が得られる機能要素を与えたうえで、各潤滑領域のフリクション低減を検討することが重要な方針である。本稿ではオイルリングのオイルコントロール性能向上による張力の低減や表面処理を中心に自動車用ピストンリングの技術動向を紹介する。