ピストンシリンダー駆動機構を用いた空気枕のオープンループ型インピーダンス調整

摘要

本論文の主たる目的は，上記の問題を同時に解決する簡易で実用的な方式を提案·検証することである．すなわち，ピストンシリンダー駆動機構による空気圧調整機能を有する空気枕にオープンループ型のインピーダンス制御を実現することにより，枕部が軽量·低騒音で，かつ枕構造パラメータを独立に調整可能な空気枕システム（以下ではIAAP：Impedance Adjustable Air Pillowと呼ぶ）を提案する．本方式と既存インピーダンス制御方式とを比較した場合の最大の違いは，後述するように，外力のみならずその変位さえも直接計測できないという制御対象の特殊性にある．このためその制御系は本質的にオープンループ構造にならざるを得ない．従来，カセンサを使わないインピーダンス制御方式に関しては，文献5）～9）など多数提案されているが，いずれも作用点における変位は直接測定可能という条件での方式提案である．また関連研究として，空気圧を利用したインピーダンス制御方式がいくつか報告されているが，本報告とは目的も方式も異なる．また文献16）は枕をセンシング装置としてのみ利用する研究である．