平成16年度上期石灰石·ドロマイトの需給と下期見通しについて

摘要

平成16年度の日本経済は，世界経済の回復が続く中で輸出，生産が増加し，企業業績の大幅な改善から設備投資が増加し，個人所得が底堅く推移していることから，個人消費が緩やかに増加し，景気の回復が続いている。 米中の経済引締めなどにより輸出，生産の鈍化が見られ，原油高による内外経済や円高の動向など先行き不透明感がのこる。政府は，7月平成16年度経済動向試算を行い，民需中心の回復過程を辿るとして，実質国民総生産を当初見込み1.8％から3.5％に引き上げ，名目国民総生産も0.5％から1.8％に引き上げた。 内閣府が独自試算をしたもので，政府経済見通しの改定といった性格のものでないとしている。 政府当初見込みより公共投資がさらに落ち込み政府支出は減少するが，生産や民間設備投資の増加が続く企業部門の改善から，雇用·所得環境が持ち直し家計部門にも消費が広がることを期待している。前年度1～3月期は，公共投資の大幅な減少が続いたが，米国，アジア向け輸出の増加続き，設備投資が増加し，個人消費も堅調であったことから，実質国内総生産（GDP）が前期比1.6％増であった。