資源としてのバイオマスとその利活用技術の現状

摘要

20世紀は石油をエネルギーおよびさまざまな工業原料として大量消費して成長発展した時代であったと言っても過言ではないが，反面，地域的な公害問題がクローズアップされ，次第に環境汚染（酸性雨，廃棄物処理）が深刻になって，遂には地球環境問題（温暖化，オゾンホール破壊）にまで発展した時代でもあった。 21世紀に入り持続的社会の構築が議論されるようになったのは，地下から地上に汲み上げられた化石資源が種々に形態を変えて地球上に放出されたがために発生した諸問題に対する根本的な解決策を模索した結果とみられる。 その結果，化石資源にかわる「再生可能な資源」として取り上げられるようになったのがバイオマスである。