レーザクラツデイング装置を導入した大阪府立産業技術総合研究所を訪ねて

摘要

地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所（産技研）が今年1月，新たな研究設備としてレーザクラツデインク装置を導入した。レーザクラツデイング法は，レーザビームと同軸または非同軸偏心でパウダー等の肉盛り材料を供給し，レーザビームにより基材表面で肉盛り材料を溶解させる技術である。この手法は，部材や基材に大きな熱影響を与えることなく局所的な部分のみを処理することができ，従来法では困難であった材料や部材への適用が可能である。また，①従来の肉盛プロセス（PTA）と比べ，パウダーとベース材料の混合が少ないこと，②熱の影響を受ける箇所が少なく，低ひずみであること，③従来の噴霧に比べ，溶着（冶金結束）度が高いこと-等の特長を有し，近年注目を集めている表面改質技術の一つである。