五感ュミュー一ケ一シヨンからブランディングの技術を考える

摘要

飽食の時代を迎えて久しい我が国の市場では、自社商品の優位性を継続的に維持していくために多様なマーケティング戦略が実施されているが、その主要課題の一つは商品の「差別化」である。差別化とは企業が自社のィメ—ジあるいは自社商品を競合他社の商品と優位に差別するために、多角的視点から一連の差異を探索または抽出して、その商品のデザインやマ—ケティングに反映させる活動と考えられている。これらの差別化を含むマ—ケティング活動の中で、最重要視されながら成功する確率の低い課題は「ブランディング」である。つまり「ブランディング」の目的は、同一カテゴリーの商品群の中で差別化を図れるブランドを創造し、継続的に育成していく事にあるが、急速に変化しながら氾濫する情報に曝されている消費者の購買意識は常にまたは劇的に変化しており、この状況に対応するブランデイングの方法もマ—ケタ—のセンスと経験に頼らざるを得ない現状にある。従って、消費者の要望にフィットした、いわゆる「消費者を起点とするブランディング」の方法論を確立することは緊急な課題としてクロ—ズアップされている。