農大レポート　農業経営研修レポートほか

摘要

青森県農林総合研究センター病害虫防除室で実習をしている専攻科二年生の工藤敬君を訪ね、卒業論文のテーマなどについて聞きました。 どんなテーマで卒業論文に取り組んでいますか。 工藤　 コムギ赤かび病の薬剤耐性菌分布調査です。卒論のテーマに取り上げた背景やねらいはどのようなことですか。 工藤　 コムギ赤かび病は主に穂に発生する病気で、防除基準では、出穂前後から乳熱期にかけてチオファネートメチル剤（商品名、トップジンM水和剤）　 で防除することとなっています。 ところが最近、赤かび病と同じ病原菌であるコムギ紅色雪腐病にこの薬剤の耐性菌が出て、現在は紅色雪腐病に対してチオファネートメチル剤の使用を中止しています。 このため、赤かび病における耐性菌の有無を調査、検証するものです。 コムギ赤かび病はどのような病気なのですか。工藤　出穂前後から乳熱期に曇天で降雨が続き、かつ温度が高いと多発します。 被害は、穂の一部あるいは全部が褐色になり、かびが生えます。 被害にあったコムギは、毒素の含有基準（一ppm）以下でないと食用や飼料用として出荷できなくなります。