茶の科学的品質評価

摘要

嗜好品である茶はその品質によって価格が多様です。 従って、客観的な品質評価法がもとめられ、茶の品質と理化学的特性の関係の研究が古くからなされてきました。 その結果、茶の品質と全窒素含量の間に深い関係が指摘され、全窒素含量を品質や価格の指標にしようとする試みは決して新しいものではありません。 しかしながら以前は、全窒素含量の測定はケルダール法といって、濃い酸や濃いアルカリを用いる方法でなされていたため、誰にでも簡単に分析できるわけではありませんでした。 最近になって近赤外分光分析法に基づく分析装置（以後「近赤」と記す）が普及し、全窒素含量は近赤により簡単に得られるようになりました。 全窒素含量の値は茶の品質の評価や茶園管理へのフィードバックに用いられるようになりつつあります。