色香に魅せられた人生

摘要

食品の色と香りに興味を持ったのは大学に入学してからである。 私は静大農芸化学科の農産製造学研究室の出身である。 そこでは食品の製造法に関する研究がテーマで、そのメインは食品の色や香りに関することであった。 昭和三十九年、農産製造学研究室の教授は、テアニンの発見者である酒戸弥二郎先生。テアニンは玉露のあのとろっとした旨味である。現在では静岡県立大の横越教授の研究で、テアニンを摂取すれば、α波が増加し、ストレスが感じなくなるといわれている。 テアニンは、いろいろな機能性を発揮する。 助教授は中林敏郎先生で、アントシアン色素をはじめとする植物のポリフェノール物質研究の権威者である。私は中林先生の下で卒論研究をした。