一般産業用コントローラを適用した水力一体形配電盤の最新技術

摘要

2003年に運開した中小水力発電所に分類される出力900 kWの発電所へ三菱電機が納入した制御装置は，一般産業用コントローラを用いてシーケンス制御，AVR (Automatic Voltage Regulator)制御及び調速制御を一体とした制御を行い，これに保護機能，テレコン機能を合わせた一体形配電盤である。 一般産業用コントローラの適用は，中小水力発電所向けハードウェア（以下"H/W"という。 ）のニーズである低コストと省スペースを実現するためである。 一般産業用コントローラは，当社製コントローラを採用しており，シーケンス制御及び調速制御とAVR制御のCPUを分けたマルチCPU方式とすることで制御性能を確保している。 保護は，従来のアナログ保護継電器に代わるユニット形デジタル保護継電器を採用し，低コストと省スペースを実現している。 また，H/Wだけでなくソフトウェア（以下"S/W"という。 ）の生産性向上によるコスト低減を実現するため，当社電力·社会システム事業所で開発したプログラミングツールである高機能POL （Problem Oriented Language: 問題向き言語）を使用している。 高機能POLの主な特長は，①マルチCPU対応のプログラムを容易に作成できる，②S/Wを機能ブロック単位でモジュール化できる，⑨アナログ制御回路の構成が容易であることである。 本稿では，一般産業用コントローラを適用した一体形配電盤の構成と特長について述べる。