超高速エレベーターの昇降路用機器

摘要

近年，世界各地，特に中東やアジアで超高層ビルの建築が増加している。台湾の台北101（高さ508m，2004年竣工（しゅんこう））や，アラブ首長国連邦のブルジュ·ハリファ（高さ828m，2010年竣工）はその好例である。昨今の景気減速の影響によって，開発プロジェクトの凍結や中止が伝えられる案件もあるものの，今後も超高層ビル建設のトレンドは継続することが予想される。超高層ビルでは，縦方向の移動手段として，高揚程の超高速エレベーターが要求される。超高速エレベーターの実現には，かごやそれを動かすための巻上機，制御盤といった主要機器のほか，かごが移動する昇降路に設置された機器（昇降路用機器）でも，超高速の昇降に対応するための設計が必要となる。本稿では，超高速エレベーターを実現するための昇降路用機器について述べる。