業務用薄型DLPリアプロジェクタの光学システム

摘要

DLP方式の業務用リアプロジェクタ向けに，超広画角の屈折·反射光学系を業界で初めて開発し，独自の光路折り曲げ方式でキャビネット実装を行うことにより，画面サイズ59インチ(1,500mm)，薄さ260mmのディスプレイ"LVP-60XT20"を製品化した。 新開発光学システムは，フロント投写型と同様な斜め投写方式の光路と，スクリーンと平行に配置した平面ミラーにより業界一の薄型化を実現している。 従来の投写光学系は屈折レンズだけで構成され，画角90°以下であった。 しかし，これでは画角が小さく装置の薄型化に限界があった。 今回，投写光学系として非球面凸面鏡と屈折レンズを共軸に配置した独自の方式を開発し実用化した。 凸面鏡により画角拡大を行うとともに，屈折レンズで凸面鏡で生じる諸収差の補正を行うことで，全画角136°の広画角を持ちながら，歪曲（わいきょく）収差／色収差が小さく，1画素レベルの高精細表示可能な投写光学系を実現した。 また，従来スクリーンとしては屈折歯を用いた屈折フレネルレンズが採用されていたが，画角が大きくなると表示画像の輝度，及び色が不均一化するという問題があった。 上記投写光学系の画角拡大に対応して，全反射歯·屈折歯の組合せによるハイブリッドフレネルスクリーンを設計し開発することで輝度·色均一性に優れた表示を実現した。