熱線流速計による垂直大口径管内の気液二相流の計測

摘要

大口径管内の気液二相流は軽水炉やボイラーなどから蓄熱冷凍システム·化学反応塔まで多種多様な工業分野で利用されており、これらの機器·システムの運転特性や効率、経済性·安全性に深く関わっている。このような気液二相流の詳細解析には気相の相分布、界面面積濃度分布、気相と液相速度分布、乱流強度分布などが必要である。また、これらの機器·システムの高精度安全評価において、乱流モデルは安全評価の質と精度に強く影響する重要な因子であり、不適切な乱流モデル選択により見当違いな結果になり得ることがよく知られている。これまで、SatoらとKataokaらが通常口径管内気泡流の実験データに基づき、それぞれ乱流モデルを提案しているが、これらの乱流モデルの大口径管内の気液二相流への適用性はいまだ検証されていない。本研究では熱線流速計による垂直大口径管内の気液二相流の液相速度などのパラメーターの局所計測を実施し、既存の気泡流の乱流モデルの妥当性を検討した。