マイクロリアクタ分野で活用される気液·液液流れ

摘要

混相流が関わる操作はマイクロリアクタの重要な応用分野の1つである。既に多くの気液、液液反応への適用事例が報告されている。このような多相が関与する操作では、相間の物質移動速度が律速となる場合がある。従来は撹拌槽のインターナルや塔内充填物を工夫することで相間物質移動速度の強化が図られてきた。一方で、マイクロ流路中に互いに混ざり合わない二種の流体を導入すると、スラグ流などの特徴的な流動状態が形成され、それによって物質移動速度が大きくなることが明らかとなっている。このような特徴を有効に活用するため多くの研究者がマイクロ流路における混相流の挙動を明らかにするための研究に取り組んでいる。そして、流動パターン、流動状態、物質移動についての研究成果がそれぞれのレビュー記事にまとめられている。本稿では、マイクロ空間における気液および液液の流動挙動の要点をまとめ、さらに最近の多相流の研究を紹介する。