ゲル状嚥下訓練食の工業生産に向けて 品質管理等を考察する

摘要

使用した試料は、市販の微生物産生多糖類とし てのキサンタンガム、植物性多糖類としてのコン ニヤクダルコマンナン、種子多糖類としてのグァ 一ガムおよびローカストビーンガム、動物性たんばく質としてのゼラチンの5種の試料ゲルであ る。5種のゲルの貯蔵弾性率G'と周波数の関係 を図8(a)に示す。5種の試料ゲル濃度は2wt%に 統一した。測定温度は25°Cである。ただし、ゼ ラチンの場合は25°Cでは、ゾル状態になるため 20°Cで行った（厳密に言えば、ゼラチンゲルは 18°C付近でゲルの内部融解が生じ始める。測定試 料の容量および測定時間に依存して、温度が20 °Cにおいては、ゲルの内部融解が生じてきてお り、測定値の再現性に影響が見られる。5種の貯蔵弾性率G'は周波数に対して右上が りの糸泉型す生が成立する。すなわち、応力の速さに 呼応してG'が増加して行くのがわかる。ゲルの三次元網目構造における架橋点の数密度はG'の 値に反映されるが、ゲルの結晶性と非晶性の一定 の均衡関係は応力の速さに対する変化が関連して いるとみられるから、嚥下のしゃすさをみるには 貯蔵弾性率G'に対する勾配を見ることが重要で あると考えられる。