『洋酒天国』の人々その4--遠藤周作の「語られざるフランス」

摘要

戦後を代表するPR誌として一世を風靡した『洋酒天国』の創刊は昭和31年で、初代編集長の開南健さんが、まだ芥川賞をとるまえのことだった。 いまから思い返すと、この時代は一種の疾風怒濤の様相を帯びていて、政治の季節であり、文学の季節でもあったのだ。 サルトルやボーボワールやカミュが読まれ、吉本隆明などがようやく活躍を開始しほじめ、遠藤周作が『白い人』で芥川要を取ったのが同30年であった。