茶の火入れによる香りの解明

摘要

お華はコーヒーと同様に世界中で親しまれてい る嗜好飲料である。近年，茶の機能性が認知され るとともに，その風味が好まれ，多くの食品にお茶が利用されている。2012年には約462万トン のお茶が世界中で生産され"，その量は年々増加 している。お茶は製造方法によって不発酵茶（緑 茶)，半発酵茶（ウーロン茶)，発酵茶（紅茶）に 分けられる（第1図）。中でも紅茶は全体の約7割 を占め，緑茶は2割程度と推定されている。わが国では緑茶が好まれ，国内では2014年に約8万 トンの緑茶が生産された2)。輸出入を差し引くと， 約8万5千トン弱の緑茶が国内で流通しているこ とになる。ただし，この推計は製造工程で分別さ れる大型の茶葉や粉，茎は含まれていない。茶ェ 場の稼働状況から推定すると，その2割増し程度， すなわち10万トン弱の緑茶が国内で流通してい ることになる。