先が読めない厳しい時代のコスト管理／利益管理～最新の原価管理システムをSaaSで利用するという選択肢～

摘要

産業経済のグローバル化や製品の多種化、原材料費の大幅な変動、サプライチェーンの短サイクル化等に伴い、製品の貢献利益の評価や基盤となる原価管理業務の戦略的重要性が日に日に高まっているが、元来原価計算の目的は製品の貢献利益及び製造コストの実績と構造を的確に評価し、製造プロセスの効率性、有効性をマネジメントすることにある。昨今の市場動向として明確になっているのは、最終的に価格を決めるのは企業ではなく市場に移行している点である。つまり、原価から売価を決めるのではなく、売価から原価を決める時代になっている。よって、これまで以上に、コストの問題箇所が迅速に把握できる仕組みが重要となってきている。また、今までの原価計算は財務会計上必要となる、既に起こったことや終わったことを、“このくらいかかりましだ’と過去の結果を出すものであったわけだが、管理会計における意思決定のための原価計算は、問題箇所を把握し改善したデータをもとにシミュレーションが行える、つまり将来想定値を出すことが求められている。