トマトの周年安定生産のための育苗法

摘要

図－1に、2006年の全国主要卸売市場におけるトマトの旬別卸売数量と価格を示す。近年石油価格の高騰によって冬季の価格変動は異様なものがあるが、平年でのトマトの価格は、おおよそ9月下旬から10月中旬にかけて最高値を付け、その後急速に低下する。 つまり、この高価格の時期にいかに良品を多く出荷するかが収益に大きく影響する。 この時期の収穫は、6月下旬から7月下旬に播種が行われる抑制栽培に当たるが、このノ作型では定植が年間で最も高温となる8月に行われることになり、定植時の植え傷みが生じやすく、定植後の生育遅延、生育抑制、着果不良が発生しやすい。 著者らはこれまで、トマトのロックウール栽培において夏季高温時の植え傷みを軽減するための育苗方法について検討してきており、ここではその成果を中心に報告する。