イチゴ団地を中心とした震災復興の 取り組みと初年度の生産販売状況

摘要

当普及センタ一管内の宮城県亘 理町、山元町は東北一のイチゴ産 地といわれ、両町を管内とするJAみやぎ亘理の平成22 (2010) 年産いちごの共販販売額は33億 円あまりに及んでいた。しかしな がら、平成23年3月11日に発生 した東日本大震災の津波により、 栽培施設の95%が倒壊や冠水の 被害を受け、産地は一時壊滅的な 状態となった。被災後、地元では 様々な形で産地の復興に取り組ん でいる。比較的被害の程度が軽かった圃場では、除塩対策を行い土耕栽培を 再開した。津波の影響が無い内陸部に移転し て土耕栽培を継続する事例や、被災農家数戸 が法人を設立して高設栽培を取り入れた大規 模経営に取り組む事例などもある。このよう な中、両町が高設栽培を取り入れた施設を団 地状に整備し（通称「イチゴ団地」以下、ィチゴ団地）、被災した151戸が施設のリースを 受ける形で昨年（平成26年産栽培）から栽 培を開始した。このイチゴ団地が産地復興の 中心的役割を果たすこととなり、その初年目 の取り組み状況を紹介する。