酵素を模倣した有機重合触媒 一化学研究者の視点から一

摘要

社会のさまざまな分野において，異分野の融合が将来 の発展を担うと期待されています.研究者も同様で，異 なる視点で問題を見つめ直すこと力-新たな発見のチャン スとなるのです.たとえば，化学研究者と生物研究者の 見方はかなり異なっています.身近な生物で，材料として多用される木を例にしてみますと，化学ではセルロー ス，へミゼルロース，リグニンといった具合に材料とし ての視点から解釈する一方，生物学では細胞，光合成の ような生命現象を対象にします.雨者の融合をどこに見 いだすことができるのでしようか？