国内ではがん性疼痛に新薬が登場 新規な作用機序の候補も臨床入り

摘要

疼痛緩和のための鎮痛薬の選択は効果とリスクを考慮することが重要である。疼痛治療薬では海外で実耩のある薬剤が国内でも承認、ドラッグラグが大きく改善した。早期パイプラインには、抗NGF抗体、イオンチャネル阻害作用を有する候補などが並ぷ。疼痛は、痛みの持続期間によって、「急性」「慢性」「間 欠性」に分類することができる。また、原因によって「侵害受容性疼痛」「神経因性疼痛」「慢性疼痛」の3つの夕 イブに大別される。侵害受容性疼痛は、骨折などのけが、手術後やがんな どで、体の組織が損傷を受けたときに起こる痛みをいう。 組織の損傷による痛みを受け取る侵害受容器は、皮膚、 次いで内臓に多く分布し、身体に異常が発生したときに 警告信号を発する役割を担う重要な生体防御機構であ る。神経因性疼痛は、ヘルぺスウィルスによる帯状疱疹 後の神経痛、三叉神経痛や座骨神経痛、脊髄損傷後の痛 みなど、中枢あるいは末梢神経の神経組織そのものが傷 害されたときに起きる。日常生活ではあまり経験しない 連続的にヒリヒリ、チクチクする不快な感覚、灼熱感のある痛みや、間欠的、発作的に起きる電撃性で刺すよう な軽く触れただけでも起こる激しい痛みである。微小な 刺激がとても痛く認識される感覚異常である、ァロディ ニァとなることもある。