ホルスタイン種体細胞クローン牛の初産泌乳期における 血液生化学成分の推移

摘要

同一ドナー細胞由来のホルスタイン種体細胞クローン牛6頭の生理機能における正常性と牛 群の斉一性を検証するため，初産次泌乳期間の血液生化学成分9項目（アルブミン（ALB)，尿素窒素 (BUN),グルコース（GLU），総コレステロール（TCHO),遊離脂肪酸（FFA)， beta-ヒドロキシ酪酸，GOT, gamma-GTP,カルシウム（Ca))の濃度とその推移を調べた.対照牛群として，人工授精で生産されたホルス 夕イン種5頭を用いた.血液の採材日毎に比較すると，ALB, TCHO, GOT ，ァ-GTPは泌乳期間のほとん どあるいは一部の連続する採材日で，対照牛群(こ比べ体細胞クロ一ン牛群において濃度のばらつきが小 さかった.また，分娩後1-35日，42-91日，118-284日に分けて比較すると，FFAとCaを除く 7成分の 濃度の推移は，対照牛群に比べ体細胞クローン牛群に斉一性がみられた.さらに，体細胞クロ一ン牛群 における9成分の泌乳期間中の濃度とその推移には異常を認めなかった.