トマト葉面ミクロフローラ解析と病害抑制に関する研究卞

摘要

微生物防除資材（biological control agent: BCA)の効果が安定しない要因 の一^3として，同一生態系に生息する 他の微生物との競合が考えられてい る.このため，葉面に生息する細菌 は土壌などに生息している細菌と比較 し葉への定着能が高く，地上部病害のBCAとして有効であると考えられる.しかし，植物にお ける微生物フローラの解析やそれら微生物の能力に関する 研究は少なく不明な点が多かった.そこで本研究では，分 離可能なトマト葉面細菌フローラの解析とそれら菌株の発 病抑制効果を調査した.さらに，UV,植物アルカロイドな どの影響が強い葉面で，細菌はこれら要因に対する耐性能 力が必要となる.そのため，葉面定着に関与すると考えら れる能力，すなわち植物の生産するa-トマチンに対する 耐性、分解能，バイオフィルム形成関連物質であるホモセ リンラクトン（AHL),および植物ホルモンであるィンド一 ル酢酸（IAA)産生能を調査した.