リソ酸Ca，Mg塩生成の影響を受けないリソ酸保持容量の測定法ならびにそのリソ酸保持容量と活性Al，Feの形態、含量との関係

摘要

1）交換性Ca，Mgに起因するリソ酸Ca，Mgの沈殿生成の影響を受けないリソ酸保持容量の測定にほ0.1 mol L~(-1)酢酸緩衝液でpH4．3とした0．07 mol L~(-1)リソ酸Na水溶液を用いるのが適当であった．2）黒ボク土，非アロフェン質黒ボク土のリソ酸保持容量とAl_0＋Fe_0／2含量との間には直線関係が得られ，Al_0+Fe_0／2含量当たりのリソ酸保持容量はそれぞれ0．16～0．21，0．32～0．38であった．3）黄色土のAl_0＋Fe_2／2含量当たりのリソ酸保持容量が，見かけ上，非アロフェソ質黒ボク土より大きくなったのほ結晶性遊離酸化鉄のためと推定した．4）リソ酸保持容量と従来のリソ酸吸収係数との関係はリソ酸保持容量=リソ吸（9/26.9-リソ吸）~(0．2)で近似され，リン酸吸収係数23g P_2O_5 kg~(-1)以下の場合にほこの式で推定可能と考えられた．ただし，交換性Ca，Mgのためにリソ酸吸収係数が過大評価されるダライ土，灰色低地土，褐色低地士などでほ過大評価分を差し引いた後でこの近似式を用いる必要がある．