水熱分解反応を利用した農作物非食用部分の有機液肥化 ：原料の特性が処理産物に及ぼす影響

摘要

現在日本では，年間約2億6000万トンのバイオマスが 発生している（農林水産省，2010).このうち，農作物非 食用部分は，発生量が約1,400万トンと多いにも関わらず， その再利用率は約30%と依然として低い状況にある（農 林水産省，2010).また，中国やインドの食糧増産，ァメ リ力，ブラジルのバィォ燃料の増産等による肥料需要の増 加が,世界的な肥料原料の奪い合いを顕在化させており（農 林水産省，2008),肥料原料のほとんどを海外に依存して l、る我が国では，安定的に供給可能な新たな肥料の開発が 急務である.そこで我々の研究グループでは，農作物非食 用部分を有機液肥として再利用することにより，バイオマ スの有効活用，また，地域内での効率的な資源循環を可能 にすることを目的に，研究を行っている.