土壌における養分に関連した複数の成分の量を評価するための 塩酸を用いた簡易な統一抽出法*

摘要

施肥量を削減できるほど肥料成分が莕祯された農地を選別するような人まかな判断ができれば良レ、という前提のも と，十.壌分析の手間をできるだけ削減するために，塩酸の みを用、、た簡^な統一抽出汰-の構築を試みた.抽出条件を検討した結果，土1gに対して0.2molL1塩酸10mLを 用い，1時間振とうする方法とした.この条件で，硝酸態窒素ゃァンモニゥム態窣素ゃナトリウムやカリウムの抽出 量は，従来法の交換性の量とほぼ问じになった.マグネシ ゥムゃ力ルシゥムの抽出量は交換性のKより多かったが， PHが7未満の土壤では，抽出量から交換性の量が換算で きた.リンの抽出量は，ブレィ二準法に近L 、f(となつた. また，炭^の抽出景は，土壌の窒素量と比例関係がみられ た.この塩酸抽出法は，抽出に川いる液の調整も容おであ り，土液比が'小さいので抽出に用いる液の量や容器を小さ くでき，廃液も少なくて済む.また，不揮発性の成分を含 まないので，原子吸光装置などを川いて多点数を分析して も装置がまりにくいという利点もある.したがって，提 案法を川いれば，十.壤分析の手間を削減できると考えられ た.謝辞：東北大学伊藤豊彰氏，山形県農業総合研究セ ンター齋藤寛氏.森静香氏，茨城県農業総合センター 坪井真樹氏，栃木県農業試験場吉澤比英子氏，新潟県農 業総合研究所土田徹氏，愛知県農業総合試験場東野 效氏，岡山県;臭林水産総合センター赤井直彦氏，福岡 県農業総合試験場藤冨慎一氏，佐賀県農業試験研究セン ター福田敬氏，お崎県農林技術開発センター人津善 雄氏，熊本県農業研究センター梠山幹司氏，人分県農林 水産研究指導センター玉井光秀氏，山野秀真氏，宮崎県総合農業試験場上田重英氏,西原基樹氏，鹿児島県農業 開発総合センター井上健一氏,上菌一郎氏,餅田利之氏， 冲綑農業研究センター宮丸直子氏，農研機構荒川祐 介氏,新美洋氏,西田瑞彦氏,新良力也氏,山口弘道氏,山口典子氏'山根剛氏には，土壌を提供いただきました. 農研機構土屋一成氏,増田欣也氏,中野恵子氏には本研 究を実施するにあたり御助言をいただきました.福岡県立 八ケ農業高等学校野屮格氏，農研機構中尾貞子氏-関木久美氏,田岛智美氏には分析等でお世話になりました.