除染技術の高度化ーセシゥムの濃縮分離 (放射性物質で汚染された土壌からの熱処理によるセシウム除去)

摘要

2011年（平成23年）3月11日，東北地方太平洋沖地震及びそれに伴う津波によって発生した東京電力福島第一 原子力発電所の事故（以下，原発事故という）により，福 島県を中心に放射性物質が拡散した.その結果，我が国の 国土が広範囲に放射性物質に汚染される事態となり，食料 生産の基盤である農地等を除染する技術開発等が進められ た.原発事故当初,農林水産省は水稲の作付け制限を5,000 Bqkg—1(農地土壌）以下とした.平成25年度からは，食 品中の放射性物質の含有量として100Bqkg—1(—般食品） 以ドの基準を示し，農産物を生産する際の目安となってい る.