カドミウム汚染土壌および下水汚泥コンポスト連用土壌で栽培したコマツナ根圏でのカドミウムおよび亜鉛の挙動－ライゾボックスを用いた一知見－

摘要

わが国で見られる農用地のカドミウム（Cd）汚染は，鉱山、精練所に起因するものがほとんどであり，これらは土壌汚染防止法に基づき客土法などの対策がとられてきた．近年，廃棄物などによる土壌汚染が見られるようになっており，これらは，先述した鉱山、精練所に起因する汚染農用地が局所的であり，その汚染が強度であるのに対して，広域的で軽度な汚染の場合が多い．下水汚泥施用にともなうCdの負荷もそのひとつであり，また連用することで年々負荷が増大する．これら2つの土壌，即ち，鉱山、精練所に起因するCdに汚染された水田土壌（Cd汚染土壌）と下水汚泥コンポストを長期連用し，Cdが蓄積した圃場土壌（下水汚泥コンポスト連用土壌）でのCdの挙動について，根から一定距離の土壌を採取することのできるライゾボックスを用いて検討した．また，下水汚泥の農用地施用の管理指標である亜鉛（Zn）についても検討した．