ロサテライトDNA多型解析を用いた 食中毒原因ヒラメの遡り調査

摘要

近年，全国的に提供メニューに生食用ヒラメが含まれ， 食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢を呈する原因不明 の有症事例が多発していたことから，国と関係自治体が協力して研究が進められ，平成23年6月8日，薬事-食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒、乳肉水産食品合 同部会において，ヒラメ中のKudoa septempunctata (以下「新種クドア」という.）が食中毒の病因物質とし て関与が強く示唆されるとの提言がなされ，全国の自治 体では厚生労働省の通知に基づき，新種クドアを起因と すると考えられる有症事例は食中毒事例として取り扱う とともに，原因究明や再発防止のためヒラメの生産履歴 等の遡り調査を実施している.