ATP拭き取り検査による搾乳前乳頭壁清浄度の評価

摘要

乳牛の搾乳前乳頭壁清浄度をATP拭き取り検査（ATP検査）法で評価し，バルク乳質との関係を明らかにすること を目的として，清拭後の乳頭壁（180頭）の細菌拭き取り検査（細菌検査）とATP検査を同時に実施し，さらに酪農家 35戸においてATP検査を実施した.ATP検査基準値として，細菌発育陰性83件のATP検査値の平均値と平均値+標 準偏差を設定した.ATP検査基準値に基づき3階層に分類し，階層別に180頭の乳頭壁細菌検査結果と酪農家35戸の 年間バルク乳質を比較検討した.ATP検査基準値の上昇に伴い乳頭壁細菌数は増加（尸く 0.01)し，バルク乳中体細胞 数（尸く 0.01)，総菌数（尸<0.01)も増加した.ATP検査法は細菌検査結果とバルク乳質を反映し，その基準値とし て500 (RLU)以下を清浄とすることが妥当と思われた.