—アニマルウェルフェアの現状と課題（II)—マルゥエルフヱァ畜産に取り組む世界の動向-健康な家畜の飼育と食品安全-

摘要

21世紀に入つて家畜福祉Farm Animal Welfareと言う訳語が日 本の畜産業界のみならず消費者へも浸透しつつある.人とともに生活している犬や猫など のぺットゃ野生動物についての動物福祉（アニマルゥェルフェア）という用語は比較的受け入れられている，家畜のゥiルフヱァ「福祉」という言葉は聞き慣れない ものである.家畜は食料や衣料などとして結局は人が生 きていくために利用され屠畜されていく運命にあるのだ から，「福祉」という言葉を使用すること自体に齟齬が あるという見解が普通である.欧米でも健康な家畜を育てることがWelfare概念の核であることを強調するため にHealthを入れ.てFarm Animal Health and Welfare という表現が多く見られる.家畜が最終的な死を迎える までの飼育過程において，ストレスから自由で健康的な 生活ができる状態にあることをアニマルウェルフェアの 理念としているのである.