青果物およびカット青果物の微生物学的安全性に関する研究

摘要

生命体の生鮮食品である青果物およびカット青果物は，品質保持が難しく，その鮮度保持期間を延長するための多大なる研究が世界中でなされてきたのは周知のことである。 これらの研究は，栄養的機能（第一次機能）および晴好的機能（第二次機能）にかかわる品質保持から，生体調節機能（第三次機能）を立証する研究まで，幅広く発展してきた。 一方で，1990年代から米国を中心に，青果物あるいはカット青果物が原因と疑われる食性疾患が急増し，これらの食品の微生物学的安全性に関する研究が重要視されるようになった。 米国で実践される青果物の衛生管理法であるGood Agricultural Practices（GAP）やカット青果物の衛生管理法として推奨されているHazard Analysis and Critical ControI Point（HACCP）も参考にしながら，日本でも科学的なデータに基づく衛生管理法を確立する必要性に迫られている。