富士登山における急性高山病発生状況に及ぼす要因の検討

摘要

年間30万人前後の人々が標高3， 776mの富士山頂を目指す「富士登山」には様々なリスクがつきまとう。 その代表的なものとして「急性高山病」が挙げられる。急性高山病は標高2, 500m以上で主に発症する頭 痛、吐き気などの症状であるが、その発生機序は未だ詳細にわかっていない。急性高山病の発生機序は 多くの要因が複雑に絡み合っていると考えられており、そのひとつに激変する環境要因に生体が適応で きず、脱水や低体温症などから引き起こされる場合が考えられる。本研究では富士登山での急性高山病 発症状況へ登山者がさらされている温熱環境や温熱感、身体の脱水状態などがどのような影響を及ぼし ているか、アンケート調査の解析により検討した。