女性ホルモンであるエストロゲンは、浸透圧、アンギオテンシンII誘発性体液調節 反応を抑制する

摘要

体液の状態を一定に保つことは、様々な生理機能を正常に維持するために不可欠である。脱水は熱中症や 脳梗塞、心筋梗塞、血栓症の原因になりうる。卵巣ホルモンであるエストロゲンは、女性における生殖機能 だけでなく、様々な生理作用をもち、閉経後のエストロゲンレベルの減少が肥満や高血圧の発症等、女性の 健康に影響を及ぼすことが明らかになつている。高齢者では、熱中症の発症率が増加することが報告されて いるが、高齢女性では年齢の影響と閉経の影響を考慮する必要がある。そこで、エストロゲンが体液調節系、 特に浸透圧調節系に及ぼす影響について基礎的なデータを得るため、卵巣摘出ラットへのエストロゲン補充 が浸透圧.アンギオテンシンII誘発性体液調節反応に及ぼす影響とその脳内メカニズムについて検討した。