『日本林制史調査督料』の保管状況について

摘要

表題の『日本林制史調査資料』（以下『目林史謄写資料』と略称）とは、昭和9年に刊行された農林省山林局編『日本林制史資料』（全30巻）の原本の謄写資料である。 　 その量は彪大で、『日本林制史資料』（以下、『目林史資料』と略称）に収録された37，056点の資料は、170，891点に及ぶ『目林史謄写資料』から選別されたという。 　 『目林史資料』は、日本林野制度史の研究のみならず、近世史に関する多くの領域にとって重要な資料の一つで、長年にわたって多くの研究者に活用され、戦後は京都や大阪の本屋で復刊もされた。しかしその原本の『目林史謄写資料』は、太平洋戦争の末期、戦災を避けて疎開したのが原因で、現在のように4つの機関に分かれて保管されることになった。 その機関は次のとおりである。