中国と日本における大学生の自然、緑地景観に対するイメージ、評価の相違 一新疆農業大学と岩手大学における調査事例一

摘要

本研究は，今後の中国の都市緑化のあり方を考えるための基礎的な研究として，新疆農業大学（中国）と岩手大学（口本） の大学生を対象に，彼らの自然、緑地に対するイメージや評価について把^し，両者の違いについて検討したものである。調査は，新疆農業大学の学生206名と岩手大学の学生200名を対象に，自然の風景を描画させる調査，緑地景観の写真のィメ一 ジを測定するSD法による調査，写奥-の印象を尋ねる記述調査，提示した写真を比較し最も好きな写真を選定させるAHP法に よる調査を，教室内で一斉に指示し記入するアンケート調査で実施した。調査の結果，AHP法，SD法，記述調査のいずれの 結果でも，日本のm山景観が中国の人々にとつても好ましい景観であることがわかった。また，記述回答の分析の結果，新疆 の学生は農村並木について日本の学生ほど「人工的」との表現を含む回答をしていなかつたこと，また描画調査では，新疆の 学牛.は日本の学生よりも「人」や「道」等の人工物を自然の絵の構成要素として描いている割合が多かったこと等から，新疆 の学生は岩手の学生よりも「人とD然との一体感」力5強い可能性があると考え.られた。