法面構造に注目した森林生産基盤としての林内道路評価

摘要

林内道路網は道路上の移動に関する縦の機能と，道路上から森林内への働きかけに関する横の機能を香し，森林の管理、経営上非常に重要な基盤施設である。 この横の機能に関しては，平均集材距離に代表される林地への到達性に関してこれまで多くの知見が得られているが，実際に林内に建設されている林道には，高く急な切取り法面や，盛土都の構造物が連続している個所も多く見られる。 こうした区間では目的とする林地に直接することが困難なだけでなく，林業の機械化を考える上でも，高い法面は大きな問題となる。 特に近年導入が進んでいるスイングヤーダについては，架線位置が低いこともあり，特に，林内道路上の高い切取り法面の区間では，下げ荷集材作業に関して制約が大きくなる。 山側に直接索張りすることができない場乱向柱を介して索張りをし，集材するが，効率性や機構上のスイングヤーダの利点を損なう。 また，高い法面区間が連続している場合には集材作業不可能となる場合も生じる。このため，林内道路網の法面の構造は今後の機械化や基盤整備にかなりのインパクトを有すると考えられる。そこで，本研究では民有林を対象とし，主として林内道路網の法面の高さに注目して，森林生産基盤としての道路網の評価を試みた。