CAPSマーカーによる熊本県産スギさし木品種シヤカインのクローン構成の推定

摘要

熊本県ほ，古くからスギさし木造林地帯で，数多くの在来品種がある。 その中の主要な品種であるシヤカインは，主に県央地方の砥用町，泉村，中央町で植栽されてきたさ近年，根元曲り，幹曲りがなく，断面形が正円，心材の色が鮮紅色，形状比が大きいなどの特徴を持つことから，藤本県内各地で造林量が増え，平成13年度には，県内各地に出荷されるスギの出だし苗の70．1％を占めるようになっている。 シヤカインはクローンコンプレックスの品種といわれているが，クローン構成比やナいつごろから造林されたのか，なぜクローンコンプレックスの品種集団となったのかなど品種成立にかかわる部分で未解明なことが多い。 本研究では，CAPSマーカーを使用し，外部形態からシヤカインと判断された210個体について遺伝子型による分類を行い，シヤカインのクローン構成比の推定を試みるとともに，主要造林地域のスギ老齢木の遺伝子型にょる分類を行い，シヤカインの造林開始時期を推定した。