高等学校演習林の森林管理－高校生と専門家の連携による森林調査の取り組み－

摘要

地球的に環境問題が議論される中、森林には持続可能な経営が求められている。小面積の森林を管理、経営している高等学校の森林、林業関連学科でも、持続可能な演習林の管理を進める必要があると思われる。 しかし、現在の高等学校演習林は、教育内容に森林の環境的な役割の占める割合が高くなったり、職員の専門性や予算面で、森林の管理が厳しい状況にある（井上ら，2003，井上，投稿中）。 そこで本研究では、環境教育での利用も視野に入れ、効率的な演習林経営と、職員が代わっても森林管理が行える体制作りのため、森林情報の収集として森林調査を行った。本研究は、小規模ながら持続可能な森林経常をめざした体制作りの第一段階である。 森林調査や管理の実施には、1）高校生の授葉の活用、2）森林の専門家による支援、協力、3）省力化と情報管理のため、最新技術（リモートセンシング、測量機器）の活用を目指した。 小面積での森林管理の体制づくりは、高校の演習林に限らず、民有林での課題でもあり、調査手法の工夫により、民有林にも応用できると考える。