水土文化への誘い（その5）一人を見よう：人を介して水土文化を捉える一

摘要

水土文化を理解する上で，それを創り出した人々に着目することは重要である。 水土文化を人々の社会的行為の結晶として捉え，"人"を介して“水土文化’’を考察していくためには社会学的思考の導入が不可欠である。この思考では，人々の社会的行為の意味（機能や役割）を彼を取り巻く社会関係や社会集団および社会的空間から論理立てようとする。 水土文化の背景にある人々が水土を相手に織りなしてきた挑戦のドラマを，技術者，農民生活，農村社会の客観的な観察を通して描き出し，ドラマから水土文化の社会的意味を見いだしていく，思考の道筋について解説する。