微小害虫アザミウマ、ダンパイムシ類の新発生

摘要

人間の経済活動や物資の移動に伴い，国内に定着していない害虫が海外から侵入する機会が増加している。古くは，ルビーロウムシが1884年に長崎で見？かり，その後，1898年に中国からと思われる柑橘害虫ヤノネカイガラムシが長崎県のミカン園で，戦後は1945年にアメリカから樹木害虫アメリカシロヒトリが，1990年には多くの野菜類，花き類，果樹類を加害するミカンキイロアザミウマが発見される等，30種を超える昆虫やダニなどの害虫が侵入している。　海外から害虫が侵入すると，侵入する害虫に抵抗力を示す仕組みが無く，ひどい被害を受けることがある。一方，都市部やその近郊で猛威をふるうアメリカシロヒトリのような，海外からの侵入種であっても，天敵の多い所には侵入できない。ここでは，ここ数年の間に発見されたグンバイムシやアザミウマの例について紹介する。