植物バイオの実験室

摘要

焼きナス，漬け物，煮物，揚げ物と日本の食卓にナスは欠かせません。 平成12年のナスの出荷量は，35万トン（野菜指導要領，実教出版，伊東正著より）で，平成8年からほぼ同じです。 最も出荷量の多い果菜類であるトマト70万トンの約半量となっています。 　 そのナスに，2004年画期的な新系統が従来の育種により誕生しました。 種なしナスです。 ナスは種子が発達して堅くなるより前に収穫されます。 買った後2，3週間経ってしまったナスを切ってみると，胎座か種子か，茶色の粒々と未熟な種子を発見することがあります。 しかし，ナスにとって種子は非常に重要です。 なぜなら，受粉して種子がちゃんとできないと着果しても果実の発達が著しく悪く，寸詰まりで果皮が堅く光沢のない小さな果実になります。 そのような果実は俗に石ナスと呼ばれています。