植物バイオの実験室（14）--アグロバクテリウムの植物ホルモン合成酵素遺伝子

摘要

植物の遺伝子組み換えは，アグロバクテリウムが根頭癌腫病を起こすしくみを利用することにより効率よく行われるようになりました。この菌はそれだけでも有意義なものですが，それ以外にも　 科学に貢献しました。 は，オーキシン，サイトカイニン，アブサイジン敵，シベレリン，エチレンの5つです。 中でもオーキシンとサイトカイニンは，両方で加減しながら植物の生長を制御しています。 これらは，実験上も重要であり，試薬として市販されています。 植物のバイオテクノロジーでは，植物の細胞や組織を人工培地で培養し，芽や根を誘導して植物体を再生することが多々あります。人工培地での培養，芽や根の誘導の際に不可欠なのが，オーキシンとサイトカイニンという2つの植物ホルモンです。 もちろん植物種，組織によっては他の植物ホルモンが重要であったり，どの植物ホルモンも不要であったりすることもありますが。