有機農業の現状と将来展望について

摘要

有機農業とは，一口で言いますと農薬や化学肥料を使わない農業で，普通の農業と違うのはそこだけです。 あとはみな同じですから，野菜，花き，シイタケなどの施設園芸，あるいは低温貯蔵，ライスセンターの脱穀、精米、貯蔵，揚排水など，全部同じだから電気との関わりも普通の農業と同じということになります。 ただ，少し違ってくるのは環境問題と関わるコンポストの問題です。 実は今，有機農業をやろうと思っても有機肥料がないのです。 日本の有機性廃棄物を全部肥料にした化学肥料の総量より多く，1窒素の2．6倍，カリの1．9倍，リン酸では同量の有機性堆肥が得られます。 これは食品産業から出る廃棄物とか，一般廃棄物の生ゴミ，畜産から出る糞尿などすべてを計算しての話ですが，そういう意味では大きなコンポストプラントがあちこちに立って，有機性廃棄物を全部肥料にして，それを畑に戻すという考え方が必要と思います。